ちょっと凹凹

つらつら考えて・・・くよくよぼやきましょう

現場を知らない教育改革じゃないか?

近年状況が悪化しているとは云え、教員不足自体は20年くらい前にも兆候があり、加速的な悪化も予想できたのに国政が放置してました…放置するだけならまだしも、教員免許更新制度をスタートさせて、教員不足を更に悪化させましたね、自民党民主党もです。大きな間違いをしても政治家や官僚はだ〜れも謝らないのですが、なぜ間違えたのかがポイントなんじゃないかしらん?

一言で云えば、現場を知らないってことになるんじゃないかなぁ?

教員不足対策で、一番目立った記事は「採用人数を増やす」「採用試験関係の日程を早める」でした。「免許なくても教員できます」って免許更新制度の精神はどこへやら?ここだけ見ても、更新制度の失敗は明らかですのに…「発展的解消」って何?

それはそれとして、人を確保しても現場が大きく変わらなければ、やめる(辞める?病める?)人が増えるだけです。

人手が増えれば分業ができそう、って普通は考えます。確かにそれなりに負担は減るんじゃないかと思いますけど、2割程度増やしたところで、残業が必要な状況は変わらないと思います。15時過ぎまで授業があって、放課後に1時間休憩して、打ち合わせや事務仕事をしたら確実に終業時刻超えです。授業準備はできないまま、職場残業か持ち帰り残業かを選択します。

 

新たな策がネットに上がっていました。残業代を増やすんだって。他には学級担任費とかのオプションで加給するとか。

金で動く教員もいるでしょうけれど、近い所で見聞きしていると、金をいくら増やしても意味ないじゃん!と言い切れてしまいます。

20世紀に教員目指してた人たちと違って今の教師は、夏休みマルマル休めるなんて幻想は抱いて無いし、モンスターペアレントとか課外指導の重さとかの情報があっても教師を目指した人たちです。賃金アップはあっても良いと思いますけど、金で退職者が抑制できるわけではありません。休みたくないけど追い込まれていくんですよ。そもそも金儲けより強力な志望動機や覚悟があったのに、そんな人たちでも病んでいくのですから…

 

現場の声をしっかり分析できていないのか?学校制度を変える気がないのか?どちらにしても教員の質をどうこうする前に、官僚や政治家の質をどうにかしてくれないと解決できないのではないでしょうかね?

今はあるかどうか知りませんが、教育委員会や文部省の学校訪問っていうのがありました。主旨はきっと現場を知ろうというものなのでしょうけれど、若い時から「無駄だなぁ」と思っていました。

訪問日程を事前に通告するのです。通告されれば学校としては準備しちゃいます。リハーサルした校長先生もいらっしゃいました。学校側としては、短い時間に効率よく全貌を伝えたいし、質問には答えられるようにしておかないと失礼などなど…当たり前に考えちゃいます。

当然ながら、「いつもの様子」ではないわけです。いつもの様子を見たいなら、抜き打ちすべきでしょう。帳簿のチェックは別日にしても良いですが、少なくとも授業参観は抜き打ちにしないと意味がない。せめて保護者参加の授業参観日に複数回見るとか?でもやっぱりアポ無し視察が一番見えると思います。

視察して「現場見てます」なんて思っている文科省の人がいたら、大きな勘違いです。っていうか、何を見に来ていたのだろう?と思います。市教委訪問だと指導主事から授業評があったりしますが、文科省は校長室にこもっている印象です。せっかく現場に来るなら、普段の姿を見てほしいですね。

こうまで問題になってもカリキュラムを精選とか学校制度改正できないなら、日本の教育行政はおしまいなんじゃない?