ちょっと凹凹

つらつら考えて・・・くよくよぼやきましょう

不適切授業に自分も該当しそうですけれど

「不適切授業」という言葉がネットニュースに出て来ました。自分のイメージでは、発達段階にそぐわない授業という感じなのですが、ニュースになった学校のHPを見ると、「学習指導要領に示されている内容の実施不足(授業時数・履修年次・評価の実施不足等)、教科書の未使用等」と書いてありました。また、今後調査するともあるので、具体的な話が出てくると思われます。

学習指導要領と解説編の文科省ページは

平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説):文部科学省

 

授業時数かぁ・・・指導要領に示されているのは、教科の年間時数だけじゃなかったかなぁ?教科書の指導書が配布されるのですけれど、そこに単元ごとに時数は載っていますけれど、これに縛りはあるのでしょうか?

私の所行を振り返ると、基準として意識しながら、増減が激しいススメ方でした。分からない子どもが多いままで次に進むのはマズいでしょう?逆に時間をかけずに終われる単元は短くなる・・・

それでなくとも教室は生活の場でもあるので、色々と問題が起きて時数は削られます。大人のように「あとで時間を取るから」ができないんです。記憶の保存は難しいし、感情のコントロールも難しい。事件を解決しておかないと授業も落ち着かない、とか。でも、そっちの時間の方が社会性育成に必要じゃないかと思います。道徳で本読んで「共感しよう」みたいな授業より、ライブの方が実感持てます。

履修年次は変えたことないですねぇ。中学年社会科が2年間の中で順番を変えられるのですが、個人で2年間持てる訳ではないので、学校で決めてました。自衛隊の授業とかやってみたかったけれど勝手に変えられないし。

評価の実施不足、というのは具体的には何を指しているのでしょうかね?テストだけで評価してなかったので、不足はしてなかったと思うのですが、テストをテストとして扱わなかったことは結構あったかしらん。いわゆる業者テストって授業にあわないことが多かったんですよね。そもそも「テスト」じゃなくて「ワーク」ですから、ワークとして扱っても問題ないじゃん!という理屈です。

教科書の未使用は常習犯でした。国算でさえ使わない時がありましたし、中学年社会科なんて地域学習なのに教科書を使っている方が信じられない!といった態度です。記事に出て来た図画工作の教科書は、何のためにあるのだろう?と思っていました。使う機会が0と云うことは無かったですけれど・・・

「教科書を教える」のではなく「教科書で教える」という言葉がありました。目の前の子どもを置いて、教科書・・・教科書の指導書にそってカタチ通りの授業をしていけば時数も要領通りになるし、問題にはなりにくいかと思います。教材研究はしなくても良いのですね?「働かせ方改革」の目玉でしょうか?でもそれで教育が成り立つのかなぁ?
①定型教室では、トニカク型通りに教科書で授業をする。
②ついていけない子どもは別の機会を補償する。
こういうシステムが完成しているなら良いのですけれど、殆どの子どもは別の機会が無い訳です。全国一律の授業を目指すと置いて行かれる子どもが続出すると思います。その分のサポートにかかる人件費を国は出してくれるの?お金を出さないならカリキュラム半減をお願いします。

 

不適切の内容がハッキリすれば問題点も明らかになるのでしょうけれど、記事を読む限りでは、「英語の指導内容が欠落していた」点と「毛筆が殆ど行われなかった」点くらいかなぁ。要領にある指導内容が授業に反映できなかったら教師としては問題です、という流れは納得できます。

毛筆は必修なのか?手段じゃ無いの?と思いましたが、要領に「毛筆で」と書いてあるので、まぁまぁ納得することにします。それでも筆ペンは毛筆だと思いますけれど。毛筆については言いたいこともイッパイあるのですが・・・

記事で目立つのは、校長の管理権限の話ですね。「職員会議が意思決定機関」というのは20世紀から言われてきたことですけれど、職員会議が事後の責任を取るワケじゃあ無いんだよねぇ。でも、私の場合は職員の意思を尊重してくれる校長が多かったように思います。まぁダメなモノはダメなんですけれど、ちゃんと私が分かるレベルで説明してくれる方が殆どでした。バランスの問題なんじゃ無いかなぁ。

管理強化しても、現場の状況次第で上に物言う方であれば良いのです。そう云う校長や教頭の姿も見せてもらってきているので。でも上の意向を伺う管理職ばかりになると、現場の息苦しさが増すでしょうし、オリジナリティは無くなりますよね。勿論、均一化が目的なのでしょうけど、社会は多様化時代ですし、指導要領は「多様化への対応」が大事だとしています。均一化した教育で、多様化した子どもの育成ができると思っている所がスゴいなぁと思うんですけれど・・・