ちょっと凹凹

つらつら考えて・・・くよくよぼやきましょう

教員不足対策のハズレ感

ここ数年、教員不足が悪化と云う記事がネットに沢山挙がっています。今日見た記事では、企業からの転身を推進する内容が多くみられました。

「不足しているのだから増やせば良い」という単純明快な方向なのですけれど、コレでは解決しないだろうなぁと考えています。

 

「教師不足」に関する実態調査 というモノが文科省から発表されています。リンク貼ります。

「教師不足」に関する実態調査:文部科学省

この中で主な教員不足の要因が書かれています。

1)必要な教員数が増えた

①産休・育休取得者数の増加
特別支援学級数の増加
③病休者数の増加
により必要となる臨時的任用教員が見込みより増加した。この傾向は令和元年度に文部科学省において一部の自治体に対して行ったヒアリング調査と同様。

としています。

①については予想の範囲でしょう?少なくとも私の周囲は30年前から予想していましたよ?団塊世代が膨らんだ年齢構成で、今の50代は採用極小世代でモノスゴク薄い。団塊の代わりに入ってきた世代がちょうど産休育休年齢帯になっている訳です。

②についても平成の半ばから増加傾向はありました。地元では特別支援学校の新設が話題になっていたりもしたので、より記憶にあります。情緒通級が新設されて全国的に通級者数が増加したのも10年くらい前からでしょうか。

③についても結構昔からの問題です。私がカウンセリングに通っていたのは十数年前ですが、その当時でも心が疲れて退職するケースはニュースにもなっていました。同時期に教職員のメンタルヘルスチェックが始まったように記憶しています。そんなモノが始まったと云うことは、問題を把握してはいたんですね?

と云う訳で、これらの要因については今更・・・という思いが強いのですが、「令和元年度のヒアリングと同じ結果」と書いてあるのを見て、本当に動きが遅いなぁという思いです。実際に雇用を増やすのは無理だったとしても、大騒ぎするのが10年・・・いや20年遅いんじゃないかなぁ。

 

2)教員をやるヒトが減った
別な理由として臨時的任用教員のなり手不足について

・講師名簿登録者数の減少
・もともと臨時的任用教員として勤務していた者の正規採用が進んだ
・すでに他の学校や民間企業等に就職済であることによる、講師名簿登録者の減少
・教員免許状を更新しておらず失効した
・教員免許状更新手続きの負担により更新がなされていない
と云う点が挙がっていますが、大きく分けて、
①就職済みで登録者が減った
②教員免許更新をせずに失効
の2点です。

 

多分こういった内容の対策として、企業からの教員募集をかけているのでしょう。でも、この内容をよく考えると、病休者数の増加問題を放置しては、雇用を増やしても、その分だけ病気になる教員が増えることになります。

更に、就職済みで登録者が減った、教員免許更新をせずに失効という点から考えると、教員という職業が嫌がられている面が考えられます。まぁあれだけブラックな面を報道されては仕方ないですけれど・・・結構頷ける報道が多いので否定は出来ませんけど、楽しかったりやりがいも勿論ある仕事です・・・とは云えココロとカラダが丈夫でないと毎日出勤できません。

 

「企業からも教員を募ります」というフレーズで文科省の「動いている感」が出ていますが、実際には効果は疑問ですし、何より不足している分のヒトを集めているだけなので、いつものごとく金は使っていません。

相変わらずですね