ちょっと凹凹

つらつら考えて・・・くよくよぼやきましょう

数詞を考えてみた

通級指導をしていた時に、数詞や数助詞で躓く子どもが結構みられたので、そう云う内容に対応した教材を作ってみようと思っています。

数字と数詞の一致が難しいお子さんたちを見ていて、「6と9」「4と7」と云うのが山かなぁと感じていました。自作教材で何とかなっちゃうケースばかりでしたが、10歳くらいで躓いていたりする姿を見ると、早期に何とかならないものかなぁと。

指導では絵札を抜いたトランプを使う事が多かったのですが、カードのマーク数を手がかりにできれば大体OKでした。形が似ている「6と9」指導で割と多かったのは、書き順を強調して9の右上を少し離して書かせる指導をして、形を印象づける方法をやってました。あまり離しすぎると4に近くなってしまう子もいたので、子どもによりけりですが。

指導は「4と7」の方が難しかったかなぁ。そもそも算数の教科書は

いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち・く・じゅう

です。

教科書会社の大日本図書のサイトには次のような説明が書いてあります。

 

 数の唱え方には,漢語系列と和語系列があります。4や7を「し」「しち」と唱えるのは漢語系列で,「よん」「なな」と唱えるのは和語系列です。「いち」「に」などが漢語系列であることから,本教科書では漢語系列を基本にしています。
 ところが,漢語系列の「し」や「しち」は音が似ていて聞き違いをおこしやすいので,和語系列の「よん」「なな」のほうがよいということもあります。また,大きな数になると表現のしやすさということから,漢語系列と和語系列の両方を取り混ぜて用いるのが一般的です。
 算数の学習の入門期では,まず漢語系列の唱え方を学習し,徐々に和語系列の唱え方もご指導いただければと思います。(大日本図書のサイトより)

 

同じく教科書会社の日本文教出版さんのサイトには

 

「し」と「よん」,「しち」と「なな」の扱いだが,教科書では「よん」「なな」を扱っていない。しかし,上に見たように一般に行われている数の表現であるので,特に数の読み方の指導として「し」「しち」でなければならない,ということはない。(日本文教出版のサイトより)

 

記述の理由について非常に分かり易い解説だと思います。学指解説も覗いてみましたが、全部は書いていないモノの「いち、に、さん、し・・・」と書かれた箇所が見られ、 多分同じ背景があるのだと思います。

1年生の担任は、教科書に書いてあるのだから、まず漢語系列を教えるじゃあないですか?教科書ガイドを見てない先生で、「数詞の混乱」に意識のある方は極少数でしょうし、ガイドを見る先生も、授業の流れを見る方が主、という方が多いでしょうから、下手すると別の読み方を認めない先生も出てきたりして・・・

でも、この漢語系列読みは、教科書会社が書いているように、聞き間違いが起こりやすい読み方なわけです。「4と7」について「よん、し、なな、しち」がコンガラガッテ10歳を迎える子もいた訳ですから。

せめて最初に教える読み方を

「いち、に、さん、よん、ご、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう」

にして頂いた上で、「他の読み方もあるよねぇ?」という流れの方が被害が少ないかなぁと。この読みをベースにした方が汎用性が高いと思うワケです。

「14」「17」は「じゅうし」「じゅうしち」が多いですが、「じゅうよん」「じゅうなな」でも十分通じます。「45」「72」に至っては「よんじゅうご」「ななじゅうに」の方が多い読み方でしょう。以後、位が増えると「し」「しち」は使わないのが通例ではないでしょうか?「9」を「く」ではなく「きゅう」にしているのも同じ理由です。

定型発達の6歳児を教えるのに、混乱が予想される危険を冒して系統性を重視する姿勢が理解できません。最初に「4→よん、7→なな」を入れ込んだ上で「し、しち」を後入れする方が困る子が少ないと思いますがいかがでせう?