今期に参加した授業研究会や学会で道徳について色々考えたんですが、そもそも今の「特別な教科」が進めた流れをよく理解できていない。小学校の現学指スタートが2020年度(疫禍スタートだったのね…)なので準備段階として導入された授業は見ていますし、内容伝達講習にも何度か出ていますが、半独立的な動き方をしていたため、職員会議はほぼ欠席、校内研究会も半分くらいしか出ていないという状態で理解が進むわけはないのでした(^_^;)
流石に何も知らずにいたわけではありませんが、学校外の人間になったので道徳をあれこれいじる前にアラタメテ学指を覗いてみたいと思います。保護者向けのパンフレットが文科省のページにあります。
平成29・30・31年改訂 学習指導要領 周知・広報ツ-ル:文部科学省
小学生の保護者向けのパンフレットを見ると、概要から始まって授業や教科の説明があって保護者の役割で終わっています。よくまとまっているなぁと思います。
が、重箱していくと
最初のタイトル枠で「学校で学んだことが、明日そして将来につながるように、子どもの学びが進化します」ってそれ自体はいい方向だと思いますが、じゃあ今までの授業はそうではなかったってことになるのかな?少なくとも教科書しばりではなく地域や子供の経験をもとに「生きた教材」的なものを重視してきたつもりですが…それとも今まで以上に生活に沿った教育にするということなのかな?だとすると教科等に並んでいる内容で良いのでしょうかね?
裏(2枚め)には…書いてあることは良いことばかりで実現できたら良い学校になるとは思います。
アクティブラーニングについてもそういう活動は大事だし賛成なのですが…総合的な学習の時間の中身と何が違うんだろう?という思いがあります。あのときにはゆとりある時間の中で行われた総合的な学習だからできたんだよなぁ、と思っていますが、今のガッチガチのカリキュラムの中では多様な子どもに合わせるのは至難の業ではないのかしらん?
そもそも「粘り強く取り組む力がつく授業」って内容がイメージする人によるのでしょうけれど実現可能でしょうか?こういう活動をしたら効果がありましたという実践があるのかしらん?あるとして、その実践はどのくらいの規模(時間経過や人数など)で行われたものなのでしょうか?そして多様化していると言われる教室で実践による効果はどの程度期待できるのでしょうかね?
その下のカリキュラムマネジメントについても、現場の先生たちがこの通りに回れば効果は出そうですけれど、「働かせ方改革」に逆行しませんか?授業が午前中に終わるのであれば午後に授業準備や校務に加えて連携の時間も十分に取れるでしょうけれど、現実は16時前まで子どもがいて、終業時刻まで1時間ちょいです。毎日1時間の残業を当然と考えても難しいんじゃないでしょうか?形だけは退勤しても家で仕事をしている教員は結構いますので、やっぱりカリキュラム量を減らさないと効果的なシステムではないと思いますね。
「新たに取り組むこと」を見ると腹が立ってきます。金をかけずに人も増やさずこれだけのことを現場にやらせようということですよね。そりゃあ教師辞める人は増えますよねぇ。今も学校で教員が不足しているので、まず文科省の役人さんが学校に来て働いてみていただきたいと思いますね。腹は立つんだけれど取り組んでみたいと思うモノが並んでいるんですよねぇ、困ったもんです。
世間的に批判を浴びた20年前のゆとり学指は新たな取り組みを入れつつ学習内容を精選しました。批判のおかげで10年保たず、反動でゆとりに制限がかかりました。総合や生活で「何をしたら良いかがわからない」と言う教師が多かったという情けない面もありましたが、PISA2003の結果をマスコミやゆとり教育に反対する人たちの盛り上がりが大きかったかなぁと。でも文科省が公表しているテスト結果や分析(今でもHPから見られます)を見ると問題ないんだよね。順位は確かに下がっていますしウィークポイントの指摘は間違っていないのですが、総合的な学習はそこを補填するような活動でしょう?と。あの時に思ったのですが、こういった意図的な情報に騙されないようにするための総合的な学習の時間だろう、と。今でも思ってますけれど、PISA2003問題で騒がれた内容の原因は家庭用ゲームではないのでしょうか?ゲームの普及率のグラフなどを見ていると大いに関係ありそうなんですけれど。
だいぶ話がそれましたが、実施から5年経過してますけど学指の実現は難しそうに見えます。「ゆとりでも詰め込みでもない」生きる力を育むってのがキャッチフレーズみたいな感じでしたね。いやいや生きる力を育むなんて昔からです。詰め込みではないってのも過去との比較なのでしょうけれど、今の時代、生活様式、子どもの実態を踏まえれば十分に詰め込んでいるように見えます。まして多様性に対応する教育を目指すならば、学指の位置づけから見直すくらいのことはしていただかないとね。