支援系のセミナーを受けて色々考えていまいました。インクルーシブ教育が中心なので方向自体に異論のあろうハズもなく、こまごまとベースの部分でない所が気になって仕方ないのは常のことなのですけれど・・・
読みの支援でICT活用して文章の音声化をするのはメジャーな支援でアリまして、インクルーシブなんて言葉が流行る前からやっている人はやっていた支援です。
ICTじゃなくても読み上げれば良い訳で、前世紀に先輩教師から「試しにやってごらんなさい」と声をかけられたので、国語テストの時に問題文を読み上げてみたら学級の平均点がかなり上昇しました。
当時は聴くことによってケアレスミスが減るのかなぁ?位にしか考えていませんでしたが、今なら認知特性とか学習障害とかを絡めて説明することは出来ます。
効果があるなら毎回やれば良いじゃん!と普通は考えると思うのですが、ひねくれているので私は違う考えをする訳です。
当時、通知表の評価項目はいくつあったかなぁ?どの教科も①興味関心意欲②知識理解③技能④思考の4つが基本でしたが、国語はこれに読む聞く話す書くが絡んで6項目ぐらいあったような・・・項目数が他教科より多かったのは確実です。項目の1つに読解力がありました。
上半分に掲載されている文章を読んで下半分に書いてある設問に答えるテストは読解力を測るためのモノです。「だから誤字で減点するのは正しく評価していないのだ」と言っても聞いてくれない先生の多い事・・・(ーー;)・・・と云う話は置いておいて、これは読解力のテストです。そこで聴力を使ったら聴解力の評価になるのではなかろうか??
「文章理解力」というなら視覚でも聴覚でも構わないのですが、評価項目は読解力が内容になっていたのです。じゃあ読まなきゃ・・・と考えた訳です。
読み上げ導入直後はそのまま読解の評価に入れていましたが、支援教育をカジリ始めてからは読み上げありとノーマル実施に明らかな差がある場合は聴く力に加点をして読みは控えめに・・・とは云え普段点重視の評価をしていたので、評価段階が変わるケースはなかった記憶です。でも今ならどう評価するだろう???
ICTで支援手段が容易に入手できる状況ではありますが、何を評価するのかによって使用範囲も変わると思うのですけれど?
現行国語の指導要領解説を見ると文章理解は「読む」に入っていて、文章作成は「書く」に入っています。で「話す」「聞く」は一緒にされています。昔と変わってないと思います。
読み聞かせ活動が割と多かった地域だったこともあるのかなぁ?聞いて文章理解するシーンがよくありました。通級指導時に「作文」というと、児童が喋って私が文字を打ち込みました。大きめのモニターを見ながら一緒に推敲するのが常でした。これは文章作成能力が高くても「書いてないじゃん」と言われてしまうと評価につながらなくなってしまいます。
読む書く話す聞くという認知機能で分けているから入力や出力の差が評価の邪魔になるんじゃないのかしらん?目的別評価に変えたら、入力方法や出力方法の選択が出来るから支援を使いやすくなると思うのですけれど・・・