ちょっと凹凹

つらつら考えて・・・くよくよぼやきましょう

教職員のメンタルヘルスケア

地方新聞を簡単に読めるのはネットのよい点です。興味のある地域のニュースをちょいちょい読んでいます。自分の地域との比較が出来るのも利点だと思うのですが、実際に住んでいたら実感と記事には差があるんだろうなぁ、とは思っています。

 

沖縄の新聞で、2021年度県内公立学校における精神疾患での休職教員が199人(1.29%)で全国平均0.64%の約2倍、という記事がありました。

 

地域特性の分析は出来ていないとしていますが、要因と考えられるモノとして
長時間労働
・保護者対応の複雑化
・コロナ禍対応
・教員同士のコミュニケーション不足
・教職員のメンタルヘルスケアに関する意識が低い
・学校や市町村教育委員会の支援体制・取り組み等にも課題
が書かれていました。

 

一方最近、文科大臣の中教審への諮問がありました。↓ の文科省のページから概要がみられます。

「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(諮問):文部科学省

働き方改革といっても、働く側の工夫は既にoverだと思います。本来基幹である学級指導と授業には準備時間が結構かかります。特にちゃんと授業をしようとすれば教材研究なんてキリがない。教科書の指導書通りに機械的に授業を進めるロボ教師でなければ、準備を「どこまで深く」とか「どこまで広く」とか学級メンバーによっても違うし、授業者によっても違ってきます。どこかで見ましたが「働かせ方改革」の方が必要です。

令和4年度教員勤務実態調査速報値として「平成28年度実施の前回調査との比較では、教師の時間外勤務の状況は一定程度改善。一方、依然として長時間勤務の教師が多い実態も明らかに。」と書いてあります。

一定程度改善?

まぁ数字の上で改善が見られたのでしょうけれど、なんか、「やったことに失敗があってはいけない主義」がこーゆートコロに現われているように思いました。長時間勤務が多いのは変わんない事は書いてあるので、嘘は言ってないのでしょうけれど、「効果が薄い」とか書けないモノでしょうか?

そーゆー意識だから休職教員が増えているんでしょう?とか思ってしまいます。

働き方改革としてこんな事も書いてあります。
・「上限指針」の実効性を高めることができる仕組みの在り方
・各教育委員会における学校の働き方改革の取組状況等を「見える化」するための枠組みの在り方
・健康及び福祉の確保の観点からの、長時間の時間外勤務を抑制するための仕組みの在り方

大事なことだと思いはしますが、やはり根幹は外しています。支援指導に関わる準備をモノスゴク甘く考えているんじゃないかと思います。

上限指針って36協定のヤツですね。厚労省のパンフレットを見ると、色々書いてありますけど、学校ってことごとく例外ばかりでしょう。学級運営に関しては個人事業主みたいな面もあるし・・・

やらなきゃイケない仕事はあるのに「時間外勤務を抑制」と言われてもなぁ。結局持ち帰り仕事が増えるだけで、表面的な勤務時間は減っても、ブラックな状況は変わらないことになります。サキホドの、勤務時間改善記述もこういう裏があると思いマス。

 

そういう中でメンタル疾患が増えるのは当然です。しかも、こうやって行政は「対応している」と世間に訴えてますから、それでも病むのは「私個人のせいかなぁ?」という雰囲気に感じます。

沖縄の新聞に書いてあった要因の中で、「メンタルヘルスケアに関する意識の低さ」が挙がっていましたが、ナカナカ一歩を踏み出せないのですよ。

私の場合ですが・・・10年以上前から年に1回メンタルテストがあって、仕事の合間にちゃっちゃっと記入して、忘れた頃に結果が戻ってくるんですけど、私、いつも危険レベルでした。周囲の同僚と見セッコした時にもダントツでした。

結果通知に相談無料券がオマケでついてくるんですけれど、結局使わず、そこから何年も経って、かなり酷くなってから養護教諭に相談し、カウンセラーを紹介してもらいました。

今考えると、「もっと早めに行けば良かった」と心からホントに思えるんですけれど、渦中にいると相談もナカナカできないし、通院するのも何か恐いし・・・何より、「これが普通のことなんだ」とか「耐えなきゃ社会人じゃない」とか思っちゃっていたんですねぇ。今、自分が相談を受けた時には、自分の体験を折り込みながら「早めに踏み出しちゃった方が良いよ」と言えますけど、「果たして相談者の方はどう思考しているのだろう」といつも不安になります。自分が悩んでいた時に、楽になる方法を考えることが多かったので、そっちに行きませんように、と。

まず、相談が一歩目なんですけど、それがナカナカ難しい。コミュニケーション機会が多ければ、相談チャンスも多いのですが・・・

 

コミュニケーション不足は、これからも加速するのではないですか?

だって、同僚のコミュニケーションで濃かった時間は全部時間外ですもの。残業しながらの無駄話が、実は無駄ではないことが凄く心に残っています・・・とまで書くと大げさでしょうか?

保護者面談でも「本音が出るのは終わり間際」です。まぁ時間が短ければ本音が出ずに終わることも多いですけれど。

同僚とのコミュニケーションも同じで、文句を言い合いながら、馬鹿話をしながら、ふと悩みが出る。

時間外労働を強制排除する方向ならそういうコミュニケーションは職員室から消えるのでしょう。メンタル面は今後も不安定になっていくんでしょうねぇ。だったらせめて働きやすい職場に放って欲しいですけれど・・・

 

一クラス30人未満なら結構違うかなぁとは思いますけど、35人学級が実現してもそんなに変わらないと思うんだけどなぁ。確かに恩恵を受けるトコロはあるんですけれど、成績処理以外では実感が持てない事の方が多いと思います。金八先生は第1シリーズから35人以下ですけど、残業や持ち帰り仕事の嵐です。

残業代を値上げする案も出ましたね。少ない費用で現状を維持しようとする政治家の考えそうなことです。頭良さそうですけれど・・・教員志望者って元々「金より仕事内容」の人が多いと思うんだけどなぁ。少なくとも自分の周りは多かったです。今はどうか知りませんが・・・そんなに変わってないと思うんです。だって、ブラックだって言われても志望するんですから。そんな集団に「10%値上げするから」って言っても効果が薄いと思いませんかね?まぁもらえないよりはマシなんですけど。

どうせ金をかけるんだったら、人を増やしましょう。思い切ってお金かけないと、ドンドン教員が少なくなっちゃいます。でも、これだけ悪評が立ったら難しいかな?

まぁだから「免許を持って無くても教員になれます」ってなったのでしょうけれど。昔々「でもしか先生」って悪評高い時代がありましたが、「公認無免許先生」は運用次第ではその上を行く可能性が高いでしょうねぇ。色々工夫してもらわないと。

 

お金をかけられないのなら、結局のところ、カリキュラムを減らすしか無いと思うんですよ。普通企業で人を増やさずに残業無くすとなれば、仕事量を減らすしかないのですから。学校の「効率化で無駄を省く」は限界があります。「教材研究が無駄」と考えるならAIに教員を譲った方が良いのですが・・・

私的には最大授業時間を週25時間にして、他の時間に担任は授業以外の仕事をするようにしたいですね。余裕があれば人員を確保して、課外担当者がクラブ活動とか補習とか行うようにしてくれると、子どもの学校滞在時間を変えずに有効利用できます。

で、9月始まりにすれば、春休みがなくなる分、学習量も確保できる・・・何で4月始まりを変えないのでしょうね?夏休みを無くすより春休みを無くす方が効率的なのに。