ちょっと凹凹

つらつら考えて・・・くよくよぼやきましょう

シャーペン禁止校則の改善要望を出したい

元旦に書く内容ではないですね。でもさっき、年賀状を書いていて思いだしてしまったのですもの。

 

昔から大抵の小学校でシャープペンシルは禁止されています。昭和時代は確かにお小遣いでは買えないくらい高価なものでしたので、禁止も仕方ないかと思います。平成以降の値段を考えると、鉛筆を買うより経済的なんじゃないの?という値段になってきています。鉛筆削りも必要ないし。

子どもが禁止理由を質問しても「キマリだから」「ダメなモノはダメ」と返ってくることが多いようです。同僚や先輩に聞いたときに「子どもは筆圧が調整できないから使えない」「芯がすぐに折れる」「芯出しの音がうるさい」などと何か理由を即答する方は少数でした。大抵の方は禁止理由を説明できないのではないでしょうかね?説明できた方もよく考えた上での結論なのでしょうか?

学校って伝統を良い物ととらえる傾向があるんじゃないかな?変化を嫌うというか・・・去年と違うことを下から提案してもナカナカ難しい状況というか・・・。昔、ガラガラポンという言葉がありましたが、そういう思考をする方は少ないように思います。去年禁止していたモノは今年も禁止という思考停止。または「必要のないものは学校に持ってこない」で、鉛筆があるからシャーペンは不必要!という流れがあるのかと思います。

 

構造形状の問題として

「芯出しの音がうるさい」って点ですが、音の出ないシャーペンも安価で売ってますので、ホントにそれが問題なら購入時の指示を出せば解決します。ノート購入で出す指示と一緒ですから問題ないですよね?

「壊れやすい」は確かに鉛筆に軍配は上がりますね。上履きで踏んだとき鉛筆は潰れませんが、シャーペンは壊れる可能性があります。それはそうなのですが、教室で鉛筆を踏む確率がそんなに高いのでしょうか?学年が下がれば確率が上がるのは予想されますが、そもそも回数自体が少ないと思うのですけれど。

「先がとがっていて危険」という理由もよく聞いたことがありますが、鉛筆だって人を刺せますよ?立派な凶器ですけど?

筆記具以外の価値

「遊び道具になる」という話もありますね。分解したり芯を出したり引っ込めたり・・・でも遊ぶ子は筆箱で遊ぶよ?遊び道具が増えるのは確かなのですが、そもそもの《遊ぶ背景》に目を向け対応するのが先かなぁと。そうでなければ遊び道具が増えても減っても意味が無いかと。

「品物の多種多様」が盗難につながるとかの心配も聞きます。確かに「高価な」シャーペンも存在します。でもシャーペンを禁止している方は、キャラクター鉛筆も禁止して全員に無地鉛筆のみを使わせているのでしょうか?鉛筆の方が余程多種多様です。高価な鉛筆もありますよ?学生の時にStaedtlerの鉛筆をあきらめて他社製品を買ったことがありました。まぁ極端な例でしたね。

文具の扱い方の面

「鉛筆の持ち方指導ができない」というのは一理あると思っています。規格が鉛筆の方が揃っていますから指導はしやすいと思います。シャーペンだとその辺りを揃えることが難しいかも知れませんね。購入時の指示である程度対応できるような気もするのですが・・・でも本気で指導するなら六角柱鉛筆より三角柱鉛筆の方が指導しやすいと思います。
持ち方を理由にしているなら、シャーペン禁止の方は日頃から鉛筆の持ち方を気にして指導の工夫しているのでしょうかね?そうで無ければおかしくありませんか?鉛筆の方が持ち方指導はしやすくても、鉛筆にしたから持ち方が良くなる訳ではありません。

「トメハネが明確にならない」というのもありましたね。でも文化庁発の「許容範囲」について文部科学大臣が答弁している動画を視ると、指導はしなきゃイケないけれど、評価についてはCase-by-caseと受け取れるんですが、如何でしょうか?

「シャーペンは筆圧を加えると芯が折れやすい」っていうのが聞いてきた中では一番多いです。
0.5mmの芯しか無かった時代は折れやすかったのですが、随分前に0.7mm芯が出てますし、私が現在使っているシャーペンの芯は1.3mmで、まず折れることはありません。これなら、削ったばかりの鉛筆の方が折れやすいという実感です。
で、筆ペンを使っていて思い出したのが・・・「筆圧のコントロールが十分でない」からシャーペンは使えないのに、2年生から水彩絵の具で絵を描かせます。筆記具としても3年書写から毛筆持たせるんですよね。おかしくないですか?
毛筆書写の初回は漢字の「一」ですが、明朝体みたいに「筆の入り」と「留め」が太くなって間が細くなるように書かせるんですね。これ、筆圧のコントロールじゃないの?

 

支援としても考えたいのですが

私は中学年以降の学級でシャーペンを許可したことが何度かありました。使用する場面を限定しましたが、絶対条件は下敷きの使用でした。0.5mm芯のシャーペンばかりでしたが、ポキポキ折れる様子はなく、音の苦情もありませんでした。私自身が結構こういう音に敏感なのですが、気になりませんでしたねぇ。
壊れた事件はありませんでしたが、落とし物箱に2本のシャーペンが入っていた年がありました。鉛筆は30本ぐらい入っていましたが・・・

書写の時間は鉛筆を使う指示を出していました。線が太くなるとチェックしやすくなる点が理由です。トメハネを含めて字形大きさなど、割と厳し目に指導していました。毛筆で小筆の扱いが苦手な子には、小筆の代わりに「書き方ペン」や「筆ペン」を使う許可を出していました。

鉛筆は使っているウチに線が太くなっていきますが、この点を気にする子どもがいたりします。シャーペンは太さが一定なので、この手のストレスを感じずに済みます。また、筆圧が強すぎる子にシャーペンを持たせると、確かに芯が折れてしまうのですが、そのこと自体を利用して筆圧のコントロール練習につなぐ事もできます。鉛筆は折れにくいので圧を弱めなくても「困る」につながりません。

支援級や通級を担当していた時には、個々に応じてボールペンやシャーペンを使用していました。保護者と相談したり、色々な筆記具を試したりする中で本人が使いやすい道具を見つける事は大事です。

筆記動作指導の中心である低学年でシャーペン禁止はアリだと私も思うのです。が、中学年以降は合理的な理由がないんじゃないかと思っています。

一番納得できると思ったのは「持ち方指導」なのですが、じゃあシャーペン禁止をしている高学年で持ち方指導なんかしているのでしょうか?私は一度も視たことがありません。現状では指導の中心となるべき1年生であっても、持ち方指導に熱心な方は少ないという実感です。

「文字を書く動作」の指導に熱心ではないのに、鉛筆にこだわるのは何故でしょうか?そこがよく分かりません。やっぱり思考停止でしょうかね?パソコンの導入で、書く機会が減るので、真面目に筆記動作指導をするならきちんと考えないとイケませんが。

でも、PC導入で、筆記しなくても良いことになるのだったら、「書く指導」にそこまで目くじら立てなくても良いのかも知れません。じゃあ何でここまで書いてきたんでしょう?