ちょっと凹凹

つらつら考えて・・・くよくよぼやきましょう

真面目にやっている人もいるんですけど

気付いたらいつの間にか東京オリパラ開始まで1ヶ月を切っていました。誘致の頃から東京五輪反対派の私ですが、ここまできちゃったら何とか開催して欲しいと思います。出場する選手は「延期」という状況下でも頑張っているのですから。

開催されると選手の活躍がそうしたストーリーと共に語られて、五輪のイメージは延期とかコロナとかの色を薄めるんだろうなぁ、と思います。「結果良ければ全て良し」で流れてOKな部分とそうで無い部分があるんじゃないかと思うんです。

 

五輪に関する報道は、最近では観客問題と入国者管理の問題が上がっていて、特に後者は「想定する人はいなかったの?」と思えるほど初歩的な問題ですよね。ちゃんとした人が不在な組織によって誘致からここまで進んできたような気がするのは私だけなのかしらん?

ネットというのは便利だなぁと思うのは、過去の記事も閲覧できることですね。私は国立競技場の建て替え問題に疑問が大きかったのですが、検索すると詳しい経過や予算の変遷などを今でも見ることができます。

当初は7000億円規模の予算だったんですよね。「コンパクトなオリンピック」というフレーズと共に予算を抑える印象を与えていたのは良く記憶しています。でも、すでに4~5年前の段階で前会長が2兆円かかる、前都知事が3兆円かかるかもしれない、と言ってました。元都知事さんが、オリンピック予算はどれも超過しているという過去の事実を示して、まるで予算オーバーは当然のような印象を受けたのも覚えています。

国立競技場についての建設費は、2012年のコンペで1300億円だったそうです。最初に決定したザハさんの案は3000億円超だったそうです。この時点で???です。契約解除に何十億かがかかった上に再コンペ。人は自分の懐が痛まないのであればこの様に大胆な失敗をすることができます。一般感覚でこの損益は訴訟レベルじゃないのかなぁ。

 

東京オリンピックの公式サイトで「立候補ファイル」をダウンロードして閲覧することができるので、当時のアピール内容を引用してみると

「国民の支援  東京招致への支援
東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会は、調査会社に委託し、IOCの調査に準じた手法で2012年10月に世論調査を行った。その結果、都民の65%、国民の64%が、東京でのオリンピック・パラリンピック競技大会開催に賛成しており、都民の81%、国民の78%が2020年東京大会は日本に良いレガシーを残すと考えていることが
判った。」

コロナは予想不可だったから仕方ないけど、それ以外にお金がかかっちゃっている現実は人為でしょう。プレゼン用の数字だとマスコミで説明する方もいらっしゃいますが、国民もこれで知らされていたんだよね。世論を誘致賛成にするための嘘とも言えるんじゃないのかしらん。1兆円はかからないコンパクトなオリンピックだからこの数字なんだと思うのは私だけ?

お金に関してはこんな記述もあります。

「大会組織委員会予算についての保証
東京2020は大会組織委員会の予算が均衡の取れたものであることを強く確信している。
しかし、万が一、大会組織委員会が資金不足に陥った場合は、IOCが大会組織委員会に支払った前払金その他の拠出金のIOCに対する払い戻しを含めて、東京都が補填することを保証する。
また、東京都が補填しきれなかった場合には、最終的に、日本国政府が国内の関係法令に従い、補填する。
東京都は、大会組織委員会予算約3,010億円に対し、非常に大規模な財政規模(2012年度の予算で11.8兆円)を有しており、万一の大会組織委員会の資金不足に対しても十分に補填することができる。」

均衡がとれた予算なんだって。でも、万が一が起きちゃったんだ。万が一って確率で言えば0.01%だよ?分かっているのかなぁ。

 

立候補ファイルにはこんな事も書かれていました。

「 2020年東京大会の理想的な日程
東京での2020年オリンピック競技大会は7月24日(金曜日)の開会式に続いて、7月25日(土曜日)から8月9日(日曜日)までの16日間で開催し、閉会式は8月9日(日曜日)に予定する。また、パラリンピック競技大会は8月25日(火曜日)から9月6日(日曜日)までの開催を予定する。
この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。また夏季休暇に該当するため、公共交通機関や道路が混雑せず、ボランティアや子供たちなど多くの人々が参加しやすい。さらに、この時期は日本全国で伝統的な祭が多く開催される時期であることから、祝祭ムードが漂っている。また、重要な点として、この開催期間は他の大規模な国際競技大会とのスケジュールと重複しておらず、東京においても大会開催に影響を及ぼすような大規模イベントの開催を予定していない。」

日本の夏は温暖なのです。夏休み中の東京は混雑しません。

いやいや嘘でしょう?空いているのはお盆期間の1週間だけでしょう?それも、昔はがら~んとしていましたが、最近はそうでも無いし。こうやってプレゼンで嘘をついて良いの?これを信じてやってくる選手がいたら可哀想ですね。

子どもが参加しやすいのはその通りだけれど、大人はどうなの?休暇の取得率は悪いんじゃなかったっけ?大規模イベントに至っては調整の結果だよね?普段ならコミケとか毎年やっているモノね。

 

イベントの後だとこういうのは忘れられちゃいますよね。誘致時点から???と思っていたのは、「復興オリンピック」というフレーズでした。確かに東京五輪なのに福島と宮城で競技開催が予定され、関連行事も被害の大きかった東北地域で開かれています。でも中心開催地は南関東+静岡で、何かしっくりこない。個人的には東京周辺の施設整備に汚染土や処理水を利用していたりすれば「お~」と思うのですが・・・。後は当初の予算を大幅に超えても誰も謝らない所かな。担当者のどんぶり勘定と見通しの浅さなのかしらん?それとも初めから意図的に考えられた利権なのかしらん?能力のない人が公的な仕事をしているのか、公的な仕事を利用して自分の利益拡大をしているのか・・・

参加選手ファーストではなく、スポンサーファーストだって事も競技予定時間から透けて見えちゃったし、ここまでの国内の動きだけを見ても「ちゃんとした人」が組織や政治家に少ないことが分かったし、色々忘れちゃいけない事があるんじゃないかな。せめて政治家だけはちゃんとした人を選びたいモノです。

オリンピック開催期間中は「オリンピック休戦」期間となるそうです。こういうことも忘れちゃいけない事ですよねぇ。これだけでも開催する意味はあるんじゃ無いかと思えてきます。